日本の伝統色、岩絵具の色名の由来は何か
1.はじめに
本レポートのテーマは「日本の伝統色と岩絵具の色名の由来」である。このテーマを設定した理由は、岩絵具そのため、これを自分のための勉強ともし、このテーマに関して重要だと思われる3つの資料を読み、その内容を簡単にまとめて報告する。
2.本文
ここでは、テーマに関する3つの資料に書かれていることを簡単に整理して記述する。
2.1 「天然岩絵具」*1
この資料には、テーマに関して以下のようなことが書かれている。
「日本画の顔料としては,古来より鉱物が使用されてきたが現代においては化学合成の顔料も使用され,大変幅の広い材料が使われている。」
また、岩絵具に関して以下のようなことが書かれている。
「古くより使用されてきた鉱物を粉砕した絵具であり,現在でも群青(アズライト)や緑青(マラカイト)は過去より続いた材料が使用されている。」
「原料が鉱物だけに岩絵具と称され,またその原料事情により色数は多くはないが,天然物特有の不純物のために色調に独特の深みがある。」
2.2 「鉱物から採れる絵具」
ここでは岩絵具の中でも代表的な群青について詳しく調べた。
2つの資料には、テーマに関して以下のようなことが書かれている。
「岩絵具の「群青」は、もとは鉱物の瑠璃(ラピスラズリ)から作られたものでしたが、瑠璃は宝石としても非常に高価なため、藍銅鉱(アズライト)を原料とするようになっていきます。」
「砕いた鉱物、青の粒の集まりということから「青が群れ集まる」という意味の『群青』という色名になったようです。」*2
「天然岩絵の具で有名なものは「群青」で、宝飾品にも使用される貴重なアズライト(藍銅鉱)を原料としているため最も高価な岩絵の具のひとつです。」*3
2.3 「日本の伝統色」*2
この資料には、それぞれの色について以下のようなことが書かれている。
「雄黄(ゆうおう)とは、明るい鮮やかな黄色のことです。硫化砒素を主成分とする鉱物の『石黄(せきおう)』から作られた顔料の色。石黄は『雄黄』とも呼ばれ、それが色名の由来です。」
「珊瑚色は、古代中国から伝来した顔料に由来し、赤珊瑚の色を表した色ではありません。我が国では珊瑚といえば「赤」というのが一般的ですが、顔料の珊瑚色は赤珊瑚を細かく砕いて作るため、珊瑚本来の色よりも色みが薄くなります。」
「今春色(こんぱるいろ)とは、明るい緑みの鮮やかな青色のことです。この色は東京・新橋の“今春新道”に置屋のあった芸者が好んで使ったので『今春色』とよばれました。」(別名:新橋色)
3.結論
3つの資料に書かれている内容の共通点、差異点に注目して、テーマである「日本の伝統色と岩絵具の色名の由来」について考察する。
「群青はアズライト(藍銅鉱)を原料としている」ことについては3つの資料全てに記述されており、これについては異論がないところと思われる。しかし、「日本の伝統色の色名の由来」については資料「日本の伝統色」*2で記述されるのみで、議論の余地がありそうだ。
今回3つの資料からは、テーマである「日本の伝統色と岩絵具の色名の由来」について岩絵具は作られた言葉やその見た目に合った言葉がつけられている。そして日本の伝統色は鉱物の名前や場所の名前など由来しているものはさまざまであるといえると著者は考える。
参考文献リスト
*1 植本誠一郎/日本絵画と日本画絵具/絵具講座(第Ⅵ講)/ホルベイン工業株式会社/平成14年6月11日/37ページ
*2 日本画の色/伝統色のいろは/Traditional colors of Japan/2020年7月22日/irocore.com
*3 岩絵の具の魅力/牧野伸英公式サイト/牧野伸英/2020年7月22日/https://nobmac.com